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1.「コンタクトレンズの医学的側面」
| Q: |
コンタクトレンズ(以下CLと表現する)による角膜浸潤・潰瘍の発症頻度が低含水ソフトCLの方が高含水率のものより高いのはなぜか。また、ワンデータイプの率が低いのはなぜか。 |
| A: |
・含水率が低いほど水の含まれる量が少ないために涙液への酸素供給も少なくなり、角膜は涙液を介して酸素を供給されることから理論的には低含水性のレンズの方が角膜への障害がおこり易い。
・2週間の頻回交換レンズに比べるとワンデータイプの障害率は低いといわれています。これまでの報告でも毎日使い捨てのワンデータイプのCLの障害率は従来型や頻回交換型のソフトCLに比べて低くなっています。 |
| Q: |
高含水と低含水、ソフトCLの水分の割合を教えてください。 |
| A: |
高含水性のソフトは含水率50%以上、低含水性は50%以下です。ポリマーの素材によって含水率は変わってきます。 |
| Q: |
度数のないカラーCLの販売は通常のCLと同じ説明をすればよいのですか。医者に行かなくても良いという広告で売り出されていますが、良いのでしょうか。 |
| A: |
度数のないカラーCLはいわゆる「おしゃれ用カラーCL」で、国民生活センターの調査では品質に問題があるものもあり、装用によって視力の低下が見られると報告されています。本レンズは国内では雑品扱いになっており、国内でレンズの安全性の検査はされていません。また日本コンタクトレンズ学会では、本レンズ使用者の眼障害を調査し、角膜潰瘍の発症例を含めた眼障害例を報告しており、「おしゃれ用カラーCL」の国内での販売停止を提言しています。良識あるCL販売責任者であればこのような問題のあるレンズを販売すべきではないと思います。 |
| Q: |
マルチパーパス(MPS)のCLで4時間消毒から10分消毒になったものがありますが、大丈夫なのでしょうか? |
| A: |
コンプリート10ミニッツもMPSの1種ですので、消毒時間が短いことは便利ですが、他のMPS同様、汚れを綺麗に取ってから消毒しないとその効果は発揮できません。 |
| Q: |
マルチパーパス(MPS)のこすり洗い、なぜ洗うのか |
| A: |
MPSの消毒力は他の消毒剤に比べて消毒効果が弱いので、バイオフイルムなどの汚れの付着を除去するにはこすり洗いが必要です。十分に汚れを取らないと消毒効果は低下します。 |
| Q: |
こすり洗い20回以上とありますが、10回と20回でレンズの耐久性に違いはありませんか。 |
| A: |
原則的にはレンズは毎日使い捨てソフトレンズ以外、耐久性に違いはそれほどないと思います。こすり洗いの際の力の入れ方によっては回数が多いと影響されることがあるかもしれません。 |
| Q: |
MPSやポピヨンヨード消毒によるアレルギー性反応に対しての事例の対応(検査)等の必要性はありますか? |
| A: |
MPSに含まれる化学物質やヨードに対して、アレルギー反応の既往があるかを聴取することが大切です。これら消毒液使用後のレンズ装用で結膜充血を起こすようであればアレルギー反応として使用しない方がよいかと思います。 |
| Q: |
ブレスオー等の連続装用CLにおいて、入浴時における感染症の危険性はありますか。 |
| A: |
ブレスオーに限らず全てのCL使用で感染症の危険性はあります。感染症発症のリスクファクターの一つに連続装用があげられます。感染症の発症を予防するには、装用中に異常を自覚的したら、まずレンズを外すことが大切です。
またレンズ表面の汚れなどの付着を綺麗に取ることも大切です。 |
| Q: |
定期検査時にハードCLのBC測定で歪みの有無を確認とありますが、機械等の測定でなく眼科医のフィッテング確認でも良いのでしょうか? |
| A: |
眼科医による細隙灯顕微鏡での観察はレンズの動きやベベルの巾などを観察します。ハードCLのBC測定はレンズ表面の歪みを含めてレンズの曲率半径を測定機器で測定しますので、両方の結果を合わせてフィッテングの状態を判断して下さい。 |
| Q: |
テキストページ3で、ソフトCLの直径が13.5mmからとなっていますが、13.0mmからの間違いではないでしょうか。 |
| A: |
従来型のソフトCLでは直径13.0mmもありましたが、やはりレンズの安定性を考えると13.5mm以上が良く、また使い捨てタイプや頻回交換タイプのソフトCLも13.5mm以上です。 |
| Q: |
遠近両用のハードCLが非常に破損しやすいのはなぜか。 |
| A: |
レンズ素材ポリマーの違いによるものと思います。酸素透過率の低い素材から出来ているレンズは破損しやすく、高い素材のレンズはひずみ易い傾向があると言われております。 |
| Q: |
書籍名の紹介をお願いいたします。(「コンタクトレンズの適用と禁忌」に関して) |
| A: |
1.コンタクトレンズ処方マニュアル 南江堂 編集:金井淳、百瀬隆行、糸井素純
2.コンタクトレンズ診療最前線 金原出版 編集:湖崎 克、西信 元、加藤 桂一郎 |
| Q: |
「DK値の低いハードCLが割れやすい。」という表現が口頭であったのですが、その点の確認をお願いします。 |
| A: |
酸素透過性ハードCLは酸素を材質内に拡散するために、種々のポリマーが重合されております。Dk値が30以下ですと、レンズの弾力性が低く割れやすく、逆にDk値が100以上ですと弾力性があり外力に対してひずみやすくなります。 |
| Q: |
痛み+充血に対して、はずして受診とのことですが、状態によってはそのまますぐ受診した方が良い場合はないでしょうか。また、CLをはずすことを医療的指示ととれるような不安も少しあります。 |
| A: |
CL使用中に痛み+充血を自覚した場合その原因はCLでありますので、まずその原因を取り除くことが重要です。レンズをはずしてから眼科医に受診すべきと思います。レンズをはずすことが治療の第1歩になります。 |
| Q: |
CLの取扱いで、ポピヨンヨード消毒剤でのヨードアレルギーの「ヨード」とは、日常生活では具体的に何があるのでしょうか。 |
| A: |
ヨードによる眼のアレルギー反応としてはかゆみ、結膜の充血、浮腫などがあります。大変まれですが全身症状としてアナフィラキシー(ショック)様の症状があります。ヨウ素に対して過敏症の既往暦がある場合は使用しないでください。 |
| Q: |
ポピヨンヨードは、グループII以外でも問題となることはないのでしょうか。何が理由でグループII以外で使用できないのでしょうか。 |
| A: |
ポピドンヨードはグループの1部のレンズ以外では厚生労働省の承認の際には問題になっておりません。下記のレンズが洗浄剤である酵素が残存することで使用することができません。東レのブレス・オーおよびブレス・オー、SEEDのフォーティーンUV, チバビジョンのプレシジョンUV.の4つのレンズです。使用に際しては本剤はレンズのこすり洗い不要となっておりますが、他のMPS(マルチパーパスソリューション)同様汚れを十分にこすり洗いで取った後、消毒されることをお勧めします。
追記:平成16年10月1日に「クレンサイド」はリニューアルされ、全てのレンズに使用できるようになりました。 |
| Q: |
内皮細胞についての質問です。ワンデー使用暦5年以上、2Wタイプ使用暦5年以上、一般ソフト使用暦5年以上の場合、内皮の減少に関して違いがあるという報告はないのでしょうか。また、ハードレンズの方が内皮に関してより安全という報告はないでしょうか。 |
| A: |
角膜内皮細胞は生後細胞分裂がされないため、経年的に徐々に細胞数は減少してきます。ハード(PMMA)レンズを長期に使用すると角膜への酸素不足により内皮細胞数が減少されることが判明されております。ソフトCLに関しては従来型ソフトCL長期使用者で細胞数の減少が見られておりますが、毎日使い捨て、頻回交換ソフトCLでは5年以上使用者の内皮細胞に関する報告はまだありません。従来型ソフトCLに比べて使い捨てレンズや頻回交換レンズの方がレンズの汚れもすくないことから、角膜への酸素供給量も多いため、内皮細胞への影響はより少ないと思います。 |
| Q: |
細菌など流行菌(アデノウィルス・流行性角膜炎)が出た場合など素早い対応(どういう経路で)について教えてほしい。 |
| A: |
流行性角結膜炎は伝染力が強く、汚染された指が眼に触れることで感染されます。原因はアデノウイルスです。潜伏期は約1週間です。病状は約2週間続きます。自覚的症状としては充血、強い涙流、眼脂、眼瞼の浮腫、耳前腺および耳下腺の圧痛、腫脹が見られます。本症に感染された場合はレンズをはずし、眼科医を受診して治療を受けることで、眼科医の指示に従ってください。充血、眼脂がなくなるまではレンズを使用しないほうが良いと思います。手指は良く洗ったあと、消毒用アルコールで拭いてください。大事なことは他人に伝さないことであります。 |
| Q: |
1,400万人のコンタクト使用者のうち、何人の人がトラブルを起こしていますか |
| A: |
わが国のCL販売量から各種レンズの使用者数を推定しますと、ハード系レンズが537万人(39.6%)、従来型ソフトCL445万人(24.7%)、1週間連続ソフトCL6万人(0.4%)、毎日使い捨てレンズ253万人(18.7%)、2週間頻回交換レンズ320万人(23.6%)です。
日本コンタクトレンズ協議会が調査した各種CLの年間眼障害率はハード系レンズ5.6%、従来型ソフトCL11.1%、1週間連続ソフトCL20.2%、毎日使い捨てレンズ4.5%、2週間頻回交換レンズ10.9%であり、この結果からハード系レンズ300,720人、従来型ソフトCL493,950人、1週間連続装用ソフトCL12,120人、毎日使い捨てレンズ11,385人、2週間頻回交換レンズ348,800人で、これらを合計するとわが国のCL使用者1,400万人の内約117万人が眼障害を発症したことが推定される(全使用者の約8.3%)。 |
| Q: |
2週間頻度交換レンズ場合の16時間使用後の角膜細胞の「浮腫」は全くないのでしょうか。 |
| A: |
厚生労働省の承認を得て販売されているCLは臨床試験を実施し安全性が確認されておりますので、通常使用によって角膜浮腫は見られないと思います。しかし、タイトなレンズを長時間使用したら場合、涙液交換が低下して酸素不足により浮腫を起すことがあるかもしれません。 |
| Q: |
角膜内皮障害についてですが、ソフトCL系を使用されている方で、グレッグ程度ではなく、穴が開いたような状態が撮影(測定)されることが時々あります。ハードCLへ変更してもらうと大丈夫なのでしょうか。 |
| A: |
ハード(PMMA)CLを始めて使用して10分すると内皮細胞が急速な酸素不足により、内皮細胞が浮腫を生じスペキュラーマイスコープで観察すると1個の細胞が黒く抜けたように見えます。これをブレッブ(bleb)と呼んでおります。1時間もするとこのブレッブは消失します。一方、内皮細胞面に数個の細胞の大きさで穴が開いたような黒く面状に観察することもできます。これがグターター(滴状角膜、guttata)と呼んでおります。この変化を組織学的に調べてみますと内皮細胞に接するデスメ膜が部分的に肥厚し前房側に突出した状態となります。色々な原因によって生じます。
一般的に従来型ソフトCLを長期に使用した使用者の一部の人に内皮細胞数の減少は見られておりますが、滴状角膜を生じた報告はまだありません。 |
| Q: |
ソフトCLを使い続けてはいけないと眼科医に言われたという話を聞いたことがあるが、問題ないのでしょうか。 |
| A: |
従来型ソフトCLの場合、毎日の洗浄・消毒をきちんと行なってレンズの汚れが無いようにして使用すれば、長期に使用しても問題ないと思います。汚れがひどいレンズを使用しますと素材の酸素透過性が低下して角膜に障害や内皮細胞に影響がでてくるかもしれません。毎日使い捨てや頻回交換レンズは汚れの付着がひどくならない前にレンズを交換しますので、長期に使用しても問題ないと思います。 |
| Q: |
円錐角膜の近視化は眼軸長の延長で説明されましたが、角膜曲率が強くなることで、角膜の度数(+)が増加することの方が影響が大きいのではないでしょうか。 |
| A: |
従来型ソフトCLの場合、毎日の洗浄・消毒をきちんと行なってレンズの汚れが無いようにして使用すれば、長期に使用しても問題ないと思います。汚れがひどいレンズを使用しますと素材の酸素透過性が低下して角膜に障害や内皮細胞に影響がでてくるかもしれません。毎日使い捨てや頻回交換レンズは汚れの付着がひどくならない前にレンズを交換しますので、長期に使用しても問題ないと思います。 |
| Q: |
円錐角膜の方でピギーバック法をされている方の度数変更はソフトレンズで行ってよいのでしょうか。 |
| A: |
.ピギーバック法(親亀の上に小亀の意味)とはCLの装用が不安定な時にソフトCLの上にハードCLをのせて視力矯正を行う方法です。ソフトCLの目的はハードCLの装用状態をよりよくする為で、一般にレンズの度数はハードレンズに入れます。2枚のレンズに度数を入れますと、処方変更の際不便です。 |
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