設立40周年を迎えて
公益財団法人 医療機器センター 理事長 菊地 眞
40年前、医療機器の研究開発の推進という社会的使命を胸に、当財団は誕生しました。
それ以来、社会環境は大きく変化し、医療技術は飛躍的に高度化し、またステークホルダーからの期待も日々進化しています。
当財団は、創設当初から研究開発振興を中心に活動を展開し、その後、国家試験事業、企業研修事業、医療研修事業、情報サービス事業を順次立ち上げました。さらに、調査事業から認証事業へと進化し、2010年には国内初のシンクタンク事業を新設、2024年には独自資金による助成事業を開始するなど、時代の変化に柔軟に対応した事業の展開を行ってきました。
医療技術の高度化は、医療の質向上に貢献し、医学の発展にも大きな影響を与えてきました。そして現在、医療技術の活躍の場は医療機関を超え、家庭や日常生活にまで広がり、社会経済において欠かせない重要インフラとなっています。今後も先端的な医療技術の重要性は一層高まり、未来の社会を切り開く原動力となることは間違いありません。
私たちは、「企業、研究者、医療者、患者様、行政のお互いがそれぞれの“私”を信頼する気持ち」が、医療にとって必要不可欠な“明日の医療機器”を育てていく原動力であると信じて、医療機器のライフサイクルに応じた7つの事業を実施しています。
この目標を実現するため、私たちは医療機器分野の唯一の公益財団法人としての自負を持ち、公正性と透明性の確保に努め続けます。あらゆる“気づき”や“ひらめき”を大切にし、柔軟かつ前例にとらわれない発想を尊重し、一人ひとりが飛躍できる環境を整え、専門性とチーム力を最大限に活用して業務を進めます。また、Hub機能としてのファシリテーション能力を一層向上させ、単独組織では解決が難しい社会的課題に立ち向かい、未来への希望を形にしていきます。
今後も、私たちは進化する社会に対応し、医療機器をより身近で必要不可欠な存在として捉え、新たな医療技術の実装を支援していきます。皆様のご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。